空手の帯は、ただのランク分けではありません。それぞれの色に段階的な意味があり、技術の習得度だけでなく、人としての成長や心の在り方も表しています。
たとえば、白帯は「無」からの出発。空っぽの状態から少しずつ技と心を学び始める段階です。黄帯、緑帯、青帯へと進むにつれ、基本の動作が身につき、自信が芽生え始めます。
茶帯になると、指導的立場に立つこともあり、自らが見本となる意識が求められます。そして黒帯は、すべての帯の集大成……と思われがちですが、実は「本当の修行の始まり」とも言われています。
帯を締めることは「今日も自分と向き合う」こと。毎回、帯を結ぶ手に込められる気持ちは、その日の稽古への意識を大きく左右します。帯の色に一喜一憂するのではなく、その背景にある努力や心の成長に目を向けていきましょう。